プリント基板ができるまで(3)基板の印刷とはどういう事?PCBが普及した経緯とそのメリット
今では多くの電子機器に使われるプリント基板ですが、プリント基板が登場する以前からも電子(電気)回路はありました。ではどのような利点でプリント基板が広く普及し、従来型から置き換わっていったのでしょうか。簡単にわかりやすく解説します。
今回の内容は…
今回は設計・製造以前の「プリント基板のはじまり」にスポットを当てて解説します。プリント基板製造の大まかな流れは以下のリンクからどうぞ。
電子回路とは?
理科の授業で、乾電池と豆電球を接続して点灯させた記憶のある人は多いのではないでしょうか。これが一番シンプルな電子(電気)回路といえるでしょう。電池を2本直列に並べたり、並列に並べたりして特性の違う回路を作ることを実習しました。プリント基板のない時代はこのように、配線をつないで回路を形成していました。
立体配線の限界
電球なら回路はシンプルですが、ラジオやテレビ、計算機etc…と回路が複雑化するにつれて配線も増え、価格も高くなりました。その負担を解消したのが、手作業だった配線をあらかじめ板に印刷形成するというプリント配線の技術です。
プリント配線(基板)の外観
プリント配線では回路を印刷で形成します。部品面には部品番号が印刷されて作業を効率化します。
配線パターンが印刷され、差し込まれた部品の足をハンダ付けする面。半田面(パターン面)。
部品を差し込む面。実装する部品の番号がシルク印刷されている。部品面(シルク面)。
プリンとキバンの!なぜなにPCB「プリント回路編」
回路を印刷したら配線が出来上がるなんて画期的ね!本や新聞の発展を連想するわ。
安定した品質で大量生産できるのでいいものが安く提供できるようになっていったぞ。
でも新しい技術だから、最初は大変だったんじゃないかしら。
当の電子技術が発展途上だったので、回路図やプリント配線は全部手描きだったよ。
意外とアナログだったのね!
そのコンピュータの発達により複雑な回路が小さく作れるようになっていったんだ。
いまもある!手配線回路
開発・試作やDIYのシーンではユニバーサル基板やブレッドボードなどの手作り基板が今も利用されています。アクトではこれをサンプルとしてお預かりすることで基板を製造することも可能です。
ユニバーサル基板
等間隔にあいた穴に部品を刺し、裏側にリード線で回路をハンダ付けする。
ブレッドボード
差し込み式でハンダ付けの必要がないタイプ。広義には試作基板全般を指す言葉。
まとめ
プリント基板は複雑化する立体的な回路配線を平面に印刷形成することにより品質向上、コスト削減してエレクトロニクス産業を大きく前進させました。
アクトでは手描きの回路図はもちろん、回路図が書けないという方でも専門のスタッフが丁寧にお話をうかがいアイディアの製品化をサポートいたします。