プリント基板ができるまで(1)基板の素材は何で出来ている?用途に応じた材料と、その特性など

スマートフォンや携帯電話、家電や玩具にいたるまで様々な機器に内蔵されているプリント基板。どういう工程で製造されるのでしょうか。今回はまず基となる板の材質について、シンプルにわかりやすく解説していきます。

プリンとキバンの【おしえてPCB】!

基板ってどんな種類があるのかしら?教えてキバン!

そうだね、大きく分けて 硬い「リジット基板」と、曲がる「フレキシブル基板」があるぞ。

ふーん。この2つを使い分けるのね。

フレキは補助的なもので、基板といえばリジットを指すことが多いね。

その硬いリジットは何で出来ているの?

リジットは電気を通さず燃えにくい合成樹脂、いわゆるプラスチックが主な材料だよ。

プリント基板の種別

・リジット基板

リジットとは堅くて曲がらないという意味あいです。
多様な部品を載せたりメッキ加工を施すこともできます。

一般に基板といえばこのリジット材のことをいいます。

・フレキシブル基板(フレキ)

フレキシブルは柔軟性を表します。
薄いため筐体内での取り回しもよく、折りたためる機器の曲げ部分や、可動するプリンタのヘッドなど外部基板・機器との接続に用いられます。
基板というより接続の役割が強いため、フレキシブルケーブル(Fケーブル)とも呼ばれます。

プリント基板の材質(リジット基板)

・ガラスエポキシ基板(FR-4)

ガラス繊維をベースにエポキシ樹脂で固めた材料で、ガラエポ基板とも呼ばれます。
耐熱性、耐久性に富み電気特性も高いため現在最も広く用いられています。
車載用途など、よりシビアなコンディションで使われる上位規格のFR-5もあります。

・紙フェノール基板(FR-1)

紙ベースをフェノール樹脂で固めた材料で、ベーク(ベークライト)基板とも呼ばれます。
最も古い規格で性能面ではガラエポに劣りますが安価で加工性もよいため簡易な回路に用いられます。

ベークより高性能でガラエポより安い、中間グレードのガラスコンポジット基板(CEM-3)もあります。

その他、特殊な材質もあります

・高放熱基板(メタル基板、セラミック基板)

大電流とも呼ばれるこの基板は近年高性能大容量化するLEDや電子機器の発熱に対して、熱伝導性の高い銅やアルミを基材とすることで高放熱を実現する技術です。

・高周波基板(テフロン基板、PPO材)

機器の使用周波数帯が非常に高い宇宙関連装置や軍需関連のレーダー機器などに用いられる。多層用途に必要なメッキ加工で専用工程が必要だったりと性能とトレードオフで扱いづらさが付加される面もあります。

まとめ(種類と材質編)

一般にプリント基板と呼ばれるのは(硬い)リジット基板で、主な材質は合成樹脂(プラスチック)です。

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